- 2015-12-31 (木) 9:50
- オーディオ、AV機器 | レビュー
先日制作したヘッドホンアンプですが、その後オペアンプの選定でアレコレ聴いていました。
差し替えながら聴いているとオペアンプによってだいぶ音が変わることがわかりました。
【レビュー】ヘッドホンアンプとACアダプターを作ってみた
そこでいくつか聞き比べてみて今後使おうと思うものを選んでみました。
【試聴環境】
ネットワークオーディオプレーヤー:Olasonic NANOCOMPO NANO-NP1
D/Aコンバーター:PS AUDIO NuWave DAC
D/Aコンバーター:Topping D20 + 自作安定化電源
ヘッドホン:beyerdynamic DT990Pro
試聴ディスク:霜月はるか / SHIMOTSUKIN 10th Anniversary BEST PREMIUM COMPLETE BOX
※FLAC形式でリッピングしたものを試聴
オペアンプレビュー その1
※D/Aコンバーター:PS AUDIO NuWave DAC
U1:利得オペアンプ
U2:バッファオペアンプ
U3:サーボオペアンプ
【★★★★☆】
U1:LME49720
U2:MUSES8920
U3:LT1112
ボーカルのサ行がやや気になるが少し重心が下がって安定した感じ
高音から低音まで抑揚が大きく音圧が高い感じで聴いていて楽しい
しかし、長時間聴くにはやや疲れる音
繊細さよりも太い音で低音がしっかりしていてポップスやロック、ジャズ向き
音の広がりはやや狭い
【★★☆☆☆】
U1:OPA2134PA
U2:LME49720
U3:LT1112
抑揚少なめであっさり
フラットな感じで長時間聴きやすい
その分やや面白みに欠ける
良くも悪くも味付け無しな感じ
【★★★☆☆】
U1:MUSES8920
U2:LME49720
U3:LT1112
全体的にバランス良く前に出てくる
ボーカルにもう少し潤いが欲しいところ
尖ったところが少なく長時間聴きやすい
音の響きは綺麗だがあと一歩前に出て欲しいところ
【★★★★☆】
U1:OP275
U2:MUSES8920
U3:LT1112
LME49720と比べてだいぶ聴きやすく少し荒ぶれていた音が安定した
音の響きは綺麗で刺さるような響きにはならない
高音~低音まで全体的な音のバランスは良い感じで長時間聴いても疲れにくそう
低音の出が若干弱いところもあるが十分メインで使える組み合わせ
【★★★★☆】
U1:OP275
U2:OPA2604AP
U3:LT1112
若干マイルド寄りで音の厚みが増した感じだが少し締まりが足りない
もう少しボーカルが前に出て来て欲しいが声の余韻が心地よい
アナログ的な響きで優しく余韻が綺麗だが低音がやや弱め
ゆったりした曲を聴いているとジンワリ来る
かなり聴きやすい音だが前への張り出しがもう少し欲しいところ
【★★★☆☆】
U1:OPA2604AP
U2:MUSES8920
U3:LT1112
音の響きは綺麗ですっきりした感じだが若干線が細く物足りなさも感じる
ボーカルに暖かみを感じる
テンポの遅い曲だと濃厚で合いそうだがテンポの速い曲だともう少し明瞭さと張り出しが欲しい
じっくり聴かせるような曲だとソフトで心地よい感じになりそう
全体的にマイルド、ソフトという感じで解像度は低め
【★★☆☆☆】
U1:LME49720
U2:OPA2604AP
U3:LT1112
音の広がりがやや足りない感じ
音の締まりは悪くないが、響きが今ひとつ
聴きやすくはあるが特徴が少なくあまり面白みがない
あっさりしているが弾力を感じる音
【★★☆☆☆】
U1:NJM5532DD
U2:OPA2604AP
U3:LT1112
低域に特徴的な響き有り
音の広がりはあまりない
音の響きがやや霞んで聞こえる
【★★★☆☆】
U1:OP275
U2:MUSES8920
U3:OPA2604AP
程よい張り出し感で聴きやすい
音の広がりはほどほどにある
ボーカルの滑らかさが足りず、刺さりが気になる
【★★★★☆】
U1:OP275
U2:MUSES8920
U3:OPA2134PA
音の響きが若干ぼやけるところはあるが高音~低音までバランスは良い
もう少し解像度が上がると面白いのだが長時間聴いて疲れにくいギリギリのところ
ボーカルは悪くないがあまり特徴がない
低音が若干弱いが十分メインで使える
【★★★★★】
U1:OPA2604AP
U2:LME49720
U3:MUSES8920
全体に抑揚もあり音の響きも太めだが瑞々しい
ボーカルの伸びも良く余韻も心地よいが若干ハスキーさも感じる
解像度も高すぎずかといって低すぎない良いバランス
どちらかというとぼやけ気味な感じがしたOPA2604APの良さが生きてきた感じ
長時間聴くにはやや疲れる音だが聴いていて楽しい音
【★★★★☆】
U1:NJM2068DD
U2:LME49720
U3:MUSES8920
低域が多めだが全体に主張しすぎず落ち着いている
ボーカルはやや引っ込み気味だが程よく聴きやすい
解像度も無理して高くないが曲によっては薄いフィルターがかかったような感じになる
長時間聴きやすい音
オペアンプレビュー その2
※D/Aコンバーター:Topping D20 + 自作安定化電源
その2は、その1の組み合わせで良かったLME49720とMUSES8920を固定してU1のみ変更して仕上げの調整をしてみました。
また、D/Aコンバーターを当初からセットで使う予定だったTopping D20に変更して試聴しました。
【★★★★★】
U1:LT1364CN8
U2:LME49720HA CANタイプ
U3:MUSES8920
若干ボーカルに固さがあるもののサ行もさほど気にならない
LME49720に感じる若干の荒さ解消のためにCANタイプのものに変更したところ荒さが解消されスッキリした
音の迫力、広がりも十分あり、飛び抜けた分解能で緻密な音がする
透明感もあり全体的に音の安定感が増した
まとめ
最終的にレビューその2のLT1364CN8、LME49720HA CANタイプ、MUSES8920で落ち着きました。
3つとも秋月電子で購入しました。
特にLME49720のCANタイプは、同じ49720とは思えないくらい音が安定しました。
CANタイプなのでそのままでは使うことが出来ませんので変換基板(共立エレショップで購入)を使って装着しました。
また、放熱器も使えるのでそれも合わせて使ってみました。
LT1364CN8はかなり発熱があります。
放射温度計で表面温度を測ってみたところ、67~69℃くらいになっていました。
内部温度はさらに高いと思われます。
仕様書によると動作温度は85℃までのようなので結構ギリギリのところかもしれません。
数時間試聴していても特に動作に問題は無さそうでしたが、念のために放熱器(共立エレショップで購入)を付けてみました。
正確に測れているかわかりませんが、放熱器の上面で40℃くらいになりました。
小さい放熱器ですが、多少は役に立ちそうです。
差し替えながらアレコレ聴いているとだんだんわからなくなってきてしまいますが、聞き比べはなかなか面白かったです。
いままでDT 990Proはあまり使っていなかったのですが、今回あらためて使ってみると驚くほど良い音で鳴ってくれました。
お気に入りのAKG K550に差し替えてみると驚くほど物足りなくなってしまいます。
Q701でも迫力不足ですし、手持ちのヘッドホンではDT 990Pro専用機になりました。
PS AUDIOのNuWave DACはスピーカーで聴く分には抜群に良いのですが、ヘッドホンを使うと曲によってはキンキンして聞きづらかったりします。
比べてTopping D20は、解像感や音の広がりなど落ちますが、その分曲によっては聴きやすくなります。
録音状態が良い物ばかりならNuWave DACを使いたいところですが、そういうわけでもないので全体的にはTopping D20の方が使いやすいです。
特にゆかりんのCDは録音状態なのか元々相性が悪いのかわかりませんが、NuWave DACだとボーカルがキンキンしてしまって聞きづらいです。
オペアンプはそれほど高価なものでもないので色々種類を集めて聞き比べてみるのは面白いですね。
市販のヘッドホンアンプでは得られない満足感がありました。
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